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セカンドキャリアの始まり、独立3か月前に決断した商業出版の舞台裏

書籍出版

商業出版とは、出版社が利益を得ることを目的として製作する書籍のことです。

私は読書が嫌いではなかったので、本を書いてみたいという小さな憧れはありました。でも、書籍一冊分の作文なんてできる訳ないと決めつけていました。そして、独立3か月前まで、本を書くことを考えたことはありませんでした。

それなのに、どうして本を書いたのでしょうか。どうして、素人が商業出版できたのでしょうか。その思いや、背景、それから経緯を紹介しようと思います。

参考までに時系列です。
・2021年6月    会社員を辞めると決意
・2021年9月    商業出版トライを決意
・2021年12月31日 会社員退職
・2022年1月1日   独立、セカンドキャリアの始まり
・2023年3月6日  「誰とでもどこででも働ける最強の仕事術」発売

会社員を辞めると決めた時

2021年6月、その時に勤めていた会社を辞めて、会社員も辞めることを決めました。会社を辞める日は、その年の12月末日。退職日まで半年しかありません。

もともと「働ける内は働きたい」と考えていましたので、いつかは雇われる働きかたを終えなくてはいけない。いつかとは、定年だろうくらいの思いでした。定年は65歳でしたので、定年の3年前に、突然、雇われる働きかたを終えることになりました。

このように退職を突然決めましたので、会社員を辞めた後に何をするのか、セカンドキャリアの準備は何もしていませんでした。慌てて、ネットで調べたり、本を読み漁りました。読書メモを残しているものだけで26冊(リストは文末)ありました。

この中で特に刺激的で印象に残ったのが、

〇定年起業を始めるならこの1冊!定年ひとり起業, 大杉潤著 (2021)

〇働けるうちは働きたい人のためのキャリアの教科書, 木村勝著 (2017)

この2冊でした。いずれも著者の実績を基に、会社員の経験を活かして仕事ができると書かれていました。大杉さんはひとつ上、木村さんは2つ下。同世代の方が、既に独立して働いていることに感動しました。

この短期間の情報収集を通じで、企業の非常勤顧問ができそうだと確信しました。会社で身に付けたスキルを、契約する企業のニーズに合わせて提供する仕事です。雇用契約ではなく業務委託契約ですので、雇われる働き方ではありません。そこも願いどおりです。こうして、セカンドキャリアのイメージを固めて行きました。

しかし、これで良いのか自信はありませんでした。そこで、「働けるうちは働きたい人のためのキャリアの教科書」の著者の木村勝さんに相談することにしました。

木村勝さんとの出会い、木村さんの提案

木村さんの本に書かれていたホームページにアクセスしました。そこに個人面談の案内がありましたので、遠慮なくメール連絡させていただきました。私がどんな働きかたができるのかを、木村さんに相談に乗っていただきたかったからです。間もなく返事が届き、Zoom面談をしていただきました。

履歴書と職務経歴書を予めお送りして、話を聞いていただきました。

その面談で木村さんから勧めていただいたことが3つありました。

一つめが、企業と業務委託契約を結んだ顧問活動を基盤にするとよい。経済的基盤になるからということでした。ここを基盤にすることは想定していましたので、やはりという思いでした。

二つめが、大学に関わる仕事に就くと良い。講師や研究員の肩書が付いて、箔が付くからということでした。これは意外でした。そうそう簡単に大学の職員にはなれないと思っていたからです。

三つめが、商業出版でした。
これは大学職員以上に、思ってもいなかったことでした。要は、「独立すると、会社という看板が無くなるので、それに代わるものがあると良い。本は、それになり得る。」ということでした。確かにそうかなと思いましたが、まだ他人事でした。

独立3か月前、商業出版を決める

木村さんは、さらに具体的な提案をしてくださりました。

コンサルが書いた仕事術の本はあるけど、現場のしかも技術者が書いた仕事術の本は無い。山葉さんの経歴ならば、そこを書ける。

そう言っていただいたのですが、「本当ですか?」という思いが駆け巡って、なかなか自分のこととして受け入れられませんでした。それでも、繰り返し言っていただいて、最初の「私に書けるの?」という疑心が、「書けるかも知れない」という思いに変わって、「書いてみよう」と、この僅か1時間の面談直後に気持ちが固まりました。

つまり、木村さんに背中を強く押していただいたことが商業出版を決めた理由です

出版の気持ちが固まったことを、あらためて木村さんに伝えて、次は、出版への道のりを教えていただきました。それが、出版社の編集者に繋いでくれるコーディネーターの存在です。そういう目で調べると多くの出版コーディネーターが見つかりました。

では、どこに頼んだら良いのか。誰に頼んだら出版できるのか。そこの詳細は別のブログに譲りますが、コーディネーターの力を借りて、編集者と繋いでいただきました。

私の本が出版される!

出版社の編集者に見てもらうのは、原稿ではなくて出版企画書です。出版企画書とは、出版社の経営層に出版の可否を判断していただく為の書類。著作を出版する理由や内容、ターゲット読者層、競合書籍(類書)、マーケティング戦略などが詳しく記載されます。商業出版は利益を上げる事が前提ですので、出版企画書を見て売れそうか否かの判断がされます。

コーディネーターには、出版企画書の作成を指導していただきました。

仕事術の本を書くことは決めていましたが、どんな内容にするのか。私に書く資格があって、読者ニーズがある領域は何か。読者ニーズというのは、出版社が企画を通すテーマということです。それらを勘案して絞ったのが、「生産性を高める働きかた」でした。

どこの会社にもいる優秀な人、所謂デキる人に共通する働きかたや振る舞いを抽出して表すことにしました。私の特異な経歴に関連付けて、40年間に勤務した6社で出会った「デキる人」たち。彼らに共通していた、高い生産性を実現するスキルを抽出しました。これらのスキルを紹介し、それらを真似ていただければ、読者の皆さんも身につけられると考えたからです。

これが、本書のテーマを絞った経緯です。

商業出版は、「読者が読みたいテーマ」と「著者が書きたいテーマ」と「書く資格のある著者のテーマ」の3つが重なった領域に絞られます

こうして、自由国民社の出版会議を通過したのが2022年8月、原稿9万字強を書き終えたのが12月、そして2023年3月6日に「誰とでもどこででも働ける最強の仕事術」が発売され書店に並びました

本ブログで紹介しました「誰とでもどこででも働ける 最強の仕事術」は、Amazon楽天ブックス あるいは リアル書店でお求めできます。

【参考】会社員を辞めると決めた直後に読んだ26冊

1. 定年後こそ仕事,金井誠之(2000)
2. できる奴はIC(インディペンデント・コントラクター)になる!:フリーランス・ビジネスマン23人の働き方,竹間忠夫,大宮知信(2009)
3. 人生二毛作社会を創る:企業ミドルの生き方改革による長寿社会の再構築,原正紀,守本 憲弘(2011)
4. 65歳定年制の罠, 岩崎日出俊(2013)
5. 60歳までに知らないとヤバい定年再雇用の現実, 榎本雅一(2014)
6. あなたは、今の仕事をするためだけに生まれてきたのですか:48歳からはじめるセカンドキャリア読本,野田 稔(2015)
7. 50代からの独立・転職は、あなたが思っているより上手く行く,大澤信一(2015)
8. LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略,リンダ・グラットン(2016)
9. 働けるうちは働きたい人のためのキャリアの教科書,木村 勝(2017)
10. 定年後,楠木新(2017)
11. 定年バカ,勢古浩爾(2017)
12. 臨終定年 人生後半の生き方,田中真澄(2018)
13. 役職定年,河村 佳朗,竹内 三保子(2018)
14. 定年後不安 人生100年時代の生き方,大杉 潤(2018)
15. あなたのキャリアをお金に変える!「顧問」という新しい働き方,齋藤利勝(2018)
16. 定年まで待つな! 一生稼げる逆転のキャリア戦略,成毛眞(2018)
17. 白秋期 地図のない明日への旅立ち,五木寛之(2019)
18. 知らないと後悔する定年後の働き方,木村勝(2019)
19. エンジニア 55歳からの定年準備 定年延長・再就職・フリーランス・起業の選択ガイド,小松 俊明(2019)
20. 50歳からの幸せな独立戦略,前川孝雄(2020)
21. めざせ命日が定年 終わり笑えばすべてよし,弘兼憲史(2020)
22. フルライフ 今日の仕事と10年先の目標と100年の人生をつなぐ時間戦略,石川善樹(2020)
23. 定年起業を始めるならこの1冊!定年ひとり起業,大杉潤(2021)
24. 定年後の居場所,楠木新(2021)
25. 定年後知的格差時代の勉強法 人生100年。大学で学び、講師で稼ぐ,櫻田大造(2021)
26. やっと見つけた手ごたえのある生き方:人生百年時代のバケットリスト,渡邊一雄(2021)

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